会場全貌です。この日、どんよーりと曇って寒そうに見えますが、実際とても寒かったです。写真は、トラムのFlanders Expo駅を降りた所から撮影しています。今年は、この会場の近くにIKEAの大きな建物が出来上がっており、IKEAの勢いを感じました。
会場に入り、チケットカウンターを通過するとまず目に飛び込んでくるのが、「エントランスメーカー」という企画展示です。今年は、ドイツ人アーティストで、ドイツ・ニュルンベルクの美術大学の学長/教授でもある OTTMAR HORL氏 がエントランスメーカーを務めました。この黒い小さな人形は「GNOME」という小鬼(地の神)です。プラスチック製で、サインが無いものは数十ユーロから販売していました。この「Dance Of The Devil」というインスタレーション作品は、LINEART2008の為に特別に制作されたものだそう。仁王立ちしているピンクのタイツの彼女は展示スタッフのようで、真剣に何度も何度も展示を繰り返していました。
この写真の中央、蛍光灯で照らされたブースが、OTTMAR HORL氏 のワンマンショーで人を集めていたギャラリーです。プラスチック製の犬やペンギン等が並んでいました。本物のようによく出来ているので解ってはいてもここを通ると床置きの犬(の像)に驚きます。
その他、様々なギャラリーが自慢の作品を見せるため、趣向をこらしたブース作りをしています。「どうやって運び入れたの?」と思うような巨大な作品もあれば、手のひらサイズの作品まで、あらゆる作品が会場に展示されています。
OTTMAR HORL氏のプラスチック作品をはじめ、LINEART2008の顔的存在で、ポスターやチケットにも使用されていたJAN FABRE氏の悪魔の仮面作品(プラスチック製)等、今年はコンセプト重視の製品化された作品が目につきました。そういった作品が増えていた中で、やはり描き手の内面をえぐり出したような作品たちが更に際立って見えたことも印象的でした。
レクチャーラウンジです。会期中毎日、美術館や美術学校からゲストを呼び講習会が開かれていました。アートフェアを単なる作品売買の場というだけではなく、アートに対して考察を深める場、アートを介してコミュニケーションをはかる場として確立してゆこうとする意図が感じられます。
総じて、今回のLINEARTでは新しい時代の作品と、ベルギー独自の現代美術の在り方や歴史的なもの、また世界各地のアートとの関わり方を積極的に模索し、このフェア自体をもっと向上させてゆこうとしているという主催者の意図が会場のあちこちに感じられました。
村越